12/04
Sun
2011
(1)
次のグラフを見れば分かるように、この問題で求めたいのは、Aから同時に出発した点PとQが、直線AB上で3回目に出会うまでにかかった時間です。
また、点PとQが初めて出会ったのは、2つの点がAを出発してから6秒後であることもグラフから読み取れます。
※ 画像はすべて、クリックすると拡大します。
直線AB上で点PとQが初めて出会うまでの様子を図に表すと次のようになります。
この図の矢印①の長さは直線AB1本分、そして矢印②と③の長さの合計も直線AB1本分になるので、点PとQが初めて出会うまでに2つの点が進んだ距離の合計は、直線ABの長さ2本分と等しいことが分かります。
1回目に出会った地点から、点PとQが2回目に出会うまでの進み方を図に表すと次のようになります。
この図の矢印①と③の長さの合計、矢印②と④の長さの合計はどちらも直線AB1本分の長さになるので、点PとQが1回目に出会った地点から2回目に出会うまでに進んだ距離も、直線ABの長さ2本分と等しいことが分かります。
つまり、点PとQは合わせて直線AB2本分の距離を進むごとに出会うので、3回目に出会うまでに進んだ距離の合計は、直線ABの長さの2×3=6本分になります。
点PとQが合わせて直線AB2本分の距離を進み、初めて会うまでにかかった時間は6秒なので、3回目に出会ったのは、2つの点がスタートしてから6×3=18(秒後)になります。
(2)
この問題を解く下ごしらえとして、まずは点PとQが直線AB上を進む速さをそれぞれ求めておきます。
次のグラフを見れば分かるように、Aから同時にスタートした点PとQが初めてAへ同時に戻るまでに、点PはAB間を3往復、そして点QはAB間を2往復しています。
したがって、点PとQの速さの比は3:2になります。
Aを同時にスタートした点PとQが、6秒後に初めて出会うまでに進んだ距離の合計は、次の図のようにABの長さ2本分と等しいので30×2=60㎝です。
また、2つの点が初めて出会うまでに進んだ距離の比は、速さの比と同じくP:Q=3:2なので、距離の合計である60㎝を3:2に比例配分してみると、
・点Pが6秒間で進んだ距離→60×5分の3=36㎝
・点Qが6秒間で進んだ距離→60×5分の2=24㎝
となります。
したがって、点Pの速さは36÷6=秒速6㎝、点Qの速さは24÷6=秒速4㎝です。
次のグラフを見れば分かるように、この問題で求めたいのは「BPとAQの長さの差が2回目にゼロとなるとき」であり、ストレートに2回目の時間を求めれば話はそれで終わりです。
ただ、それだと問題の仕組みがいまいち分からなくてスッキリしない人もいると思うので、まずは「BPとAQの長さの差が初めてゼロとなるとき」がいつなのかを求めてみます。
※ そんなの不必要な人はスルー推奨。
【BPとAQの長さの差が初めてゼロとなるとき】
Aを同時にスタートした点PとQが次の図のように進み、BPの長さがAQの長さと等しくなったとき、BPとAQの長さの差が初めてゼロになります。
また、この図で点PとQが進んだ距離の比は3:2なので、QPの長さは比の3-2=1、そしてBPの長さはAQと同じく比の2と表せます。
つまり、上の図のABの長さである30㎝は比の2+1+2=5にあたるので、比の1は30÷5=6㎝です。
上の図で秒速4㎝の点Qが進んだ長さ(比の2)は6×2=12㎝なので、BPとAQの長さの差が初めてゼロとなるのは、2つの点がAをスタートしてから12÷4=3秒後になります。
ただし、「初めてゼロになるのは3秒後」という情報は、2回目にゼロとなる時間を求める上で何の役にも立たないので、この作業は純粋に回り道です。
【BPとAQの長さの差が2回目にゼロとなるとき】
点QがAからBまで進むのにかかる時間は30÷4=7.5秒、その間に点Pが進む距離は6×7.5=45㎝なので、点QがBに到着したとき、点PはBからAへ向けて45-30=15㎝進んだ地点にいます。
また、そのときのBPは15㎝、AQは30㎝なので、BPとAQの長さの差は30-15=15㎝になっています。
点QがBからAへ向けて引き返し始めてからしばらくの間は、点PもAへ向けて同じ方向に進んでいます。
その間、BPの長さは毎秒6㎝ずつ長くなっていくのに対して、AQの長さは逆に毎秒4㎝ずつ短くなっていきます。
さっきの図だと、点QがBに着いたときはAQがBPよりも15㎝長い状態でしたが、その差は1秒あたり6+4=10㎝ずつ縮まっていくので、次の図のようにBPとAQの長さが等しくなるのは、点QがBを出発してから15÷10=1.5秒後です。
Aを出発した点QがBに到着するのは7.5秒後、そして上の図の状態になるのは点QがBを出発してから1.5秒後なので、答えは7.5+1.5=9(秒後)になります。
(3)
次のグラフを見れば分かるように、BPとAQの長さが2回目に等しくなった9秒後から、しばらくの間はBPとAQの長さの差がいったん増え始めますが、その差はウのときを境にして再び減っていきます。
2つの点がAを出発してから9秒後、BPとAQの長さは次の図のように等しくなっていますが、その後は点PがAへ到着するまでは、BPの長さは毎秒6㎝ずつ長くなる一方、AQの長さは毎秒4㎝ずつ短くなるので、BPとAQの長さの差は1秒間に6+4=10㎝ずつ広がっていきます。
また、点PがAからBへ向けて反転し始めてからしばらく(点QがAに到着するまで)は、BPの長さは毎秒6㎝ずつ短く、AQの長さは毎秒4㎝ずつ短くなるので、BPとAQの長さの差は1秒間に6-4=2㎝ずつ縮まっていきます。
つまり、スタートから9秒後を基準に考えたとき、点PがAに着くまではBPとAQの長さの差が広がっていきますが、点PがAに着いて反転してからはその差が少しずつ縮まっていくので、グラフのウは点PがAB間をちょうど1往復したときのBPとAQの長さの差を表していることが分かります。
そこで、点PがAB間の1往復を完了した30×2÷6=10秒後のBPとAQの長さを調べてみると、
・BP→点PはAにいるので、BPの長さはAPと同じく30㎝
・AQ→点Qは4×10=40㎝進んだので、AQの長さは30×2-40=20㎝
となっています。
以上から、グラフのウにあてはまるBPとAQの長さの差は、30-20=10(㎝)になります。
【どうでもいい感想】
ぐだぐだと回り道をしたとはいえ、作成した図が14個とか(笑)
どう考えても解説の作成がめんどくさそうだったからこの問題はスルーしようと思ったけど、気分がのった日に「とりゃ!」という感じで一気に完成させました。
「フェリス」、「麻布」などの学校名を入力して検索すると該当記事の一覧が表示されます。 「該当なし」だったらごめんなさいm(_ _)m