1辺2㎝の正三角形と糸があります。正三角形のAの位置に糸の端を固定し(図1)、正三角形の周囲に時計回りに糸を巻きつけていくと(図2)、糸のもう一方の端PがちょうどAの位置にきました。
(画像はすべて、クリックすると拡大します)
この状態から、次の(ア)、(イ)の作業を行います。
(ア) 糸をぴんと張った状態に保ったまま、巻きつけてある糸をほどいていきます。
(イ) ほどききったあとも、糸をぴんと張った状態を保ったまま、三角形の周囲に反時計回りに、糸の端PがふたたびAの位置にくるまで巻きつけていきます。
このとき、次の問いに答えなさい。ただし、糸は伸び縮みせず、太さは完全に無視できるものとします。
(1)
糸の長さが6㎝のとき、(ア)、(イ)の作業で、糸の端Pが通る経路を、解答用紙にコンパスを用いて、ていねいにかきなさい。経路をかくために使ったその他の線も消さずに残しておくこと。
(2)
糸の長さが300㎝のとき、(ア)、(イ)の作業で、糸の端Pが通る経路は何㎝になりますか。円周率を3.14として求めなさい。また、求め方も記しなさい。
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(1)
まずは(ア)の作図を完成させるために、コンパスを使って次の①から④までの作業をていねいに進めていきます。
① 青い点を中心とした、半径1㎝、中心角120度のおうぎ形をかきます。
② 赤い点を中心とした、半径3㎝、中心角120度のおうぎ形をかきます。
③ 緑の点を中心とした、半径5㎝、中心角120度のおうぎ形をかきます。
④ 紫の点を中心とした、半径6㎝、中心角90度のおうぎ形をかきます。
これで(ア)の作図は完成なので、次は(イ)の作図を完成させるために、次の⑤から⑧までの作業を同じように進めていきます。
⑤ 紫の点を中心とした、半径6㎝、中心角90度のおうぎ形をかきます。
⑥ ピンクの点を中心とした、半径5㎝、中心角120度のおうぎ形をかきます。
⑦ 水色の点を中心とした、半径3㎝、中心角120度のおうぎ形をかきます。
⑧ 黄色の点を中心とした、半径1㎝、中心角120度のおうぎ形をかきます。
以上の作業をすべて完成させると、次のような図が完成します。
(2)
【糸をほどく作業のとき】
さっきの①から④までの作業から、糸をほどくときは中心角120度のおうぎ形がたくさんできたあと、最後に中心角90度のおうぎ形が1つできることが分かります。
中心角120度のおうぎ形は、半径1㎝→半径3㎝→半径5㎝→・・・のように少しずつサイズが大きくなっていく(すべて奇数)のですが、糸の長さが300㎝の場合、次の図のように最後は中心角120度、半径299㎝のおうぎ形のあと、中心角90度、半径300㎝のおうぎ形ができて作業が完成します。
つまり、中心角120度のおうぎ形は、半径1㎝から半径299㎝までのものが1個ずつでき、さらに中心角90度、半径300㎝のおうぎ形が1個だけできます。
【糸をまきつける作業のとき】
糸をまきつけるときは、最初に中心角90度、半径300㎝のおうぎ形が1個だけできます(次の図)。
そのあとは中心角120度のおうぎ形が半径299㎝→半径297㎝→半径295㎝→・・・のように少しずつサイズが小さくなっていき、最後は半径1㎝のおうぎ形ができて作業が完成します。
つまり糸をまきつけるときも、中心角120度のおうぎ形は、半径1㎝から半径299㎝までのものが1個ずつでき、さらに中心角90度、半径300㎝のおうぎ形が1個だけできます。
というわけで、ここまで分かったことを参考にして孤の長さの合計を求めてみると・・・
【中心角120度のおうぎ形の孤の長さの合計】
「1×2×3.14÷3」から「299×2×3.14÷3」までが全部で2個ずつあるので、とりあえず1から299までの奇数の和を求めてみると、(1+299)×150÷2=22500になります。
※ 「÷3」は中心角120度だから。本当は「×3分の1」と表したいけど、分数はうまく表示できないので(泣)
したがって、中心角120度のおうぎ形の孤の長さの合計は、22500×2×3.14÷3×2=94200㎝になります。
【中心角90度のおうぎ形の孤の長さの合計】
300×2×3.14÷4×2=942㎝になります。
以上から、求める長さの合計は、94200+942=95142㎝になります。
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