次の図のような台形ABCDがあります。点Pは、Aを出発し時計回りに、点Qは、Bを出発し反時計回りに、それぞれ一定の速さで動きます。2点P、Qは同時に出発し、出会うたびに、進む方向と速さが入れかわります。
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次のグラフは、それぞれ点P、Qについて、「時間」と「底辺BCからの高さ」の関係を表したものです。
(1)
P、Qの出発した時の速さをそれぞれ求めなさい。
(2)
7回目にP、Qが出会うのは、出発してから何分後ですか。また、それは辺AB、辺BC、辺CD、辺DAのどの辺上で、どの位置ですか。「( )分後、辺( )上で、点( )から( )㎝のところ」という形で答えなさい。
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(1)
点PとQが進んだ様子を表す次の2つのグラフを見比べてみると、
・頂点Aを出発して時計回りに進んだ点Pの高さがゼロになった→点PはAからDを通り、Cを通過してBへ向かっていた。
・頂点Bを出発して反時計回りに進んだ点Qの高さがしばらくずっとゼロだった→点QはCへ着く前にPと出会って反転した。
ことが分かります。
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つまり次の図のように、点PとQは辺BC上で出会ってお互いに反転し、点Pは辺CDの5㎝を13-8=5分間で進み、点Qは辺BAの4㎝を11-9=2分間で進んだことが分かります。
したがって、点Pが進む速さは5÷5=分速1㎝、そして点Qが進む速さは4÷2=分速2㎝であることが分かるのですが、この問題で求めたいのは点PとQが出会って反転する前(スタート時)の速さです。
さっき求めた速さは2つの点が反転して速さが入れかわった後のものなので、2つの点が出発したときの速さは、点Pが分速2㎝、そして点Qが分速1㎝になります。
(2)
点Qの動きを基準にして、2つの点が7回目に出会うまでの時間と場所を求めます。
1回目に出会うのは、次の図のように2つの点が合わせて5+5+8=18㎝動いたときです。
最初は点Pが分速2㎝、点Qが分速1㎝で進むので、その2つの点が合わせて18㎝動くのにかかる時間は18÷(2+1)=6分です。
したがって、点Qはスタートから6分後に頂点Bから反時計回りに1×6=6㎝進んだ地点にいます。
2回目に出会うのは、2つの点が合わせて台形の1周分の距離にあたる4+5+5+8=22㎝進んだときです。
今度は点Pが分速1㎝、点Qが分速2㎝で進むので、その2つの点が合わせて22㎝動くのにかかる時間は22÷(1+2)=3分の22分です。
また、3回目に出会うときも次の図のように2つの点が合わせて22㎝動くので、やはり3分の22分かかります(ただし、2つの点の速さはまた入れかわっています)。
以上のことから点Qの動きをまとめてみると、
・1回目に出会うまで→反時計回りに分速1㎝で6分間進む。
・2回目に出会うまで→時計回りに分速2㎝で3分の22分間進む。
・3回目に出会うまで→反時計回りに分速1㎝で3分の22分間進む。
となることから、点Qは次の表のように、「偶数回目の出会い→時計回りに分速2㎝で3分の22分間進む」、「奇数回目の出会い→反時計回りに分速1㎝で3分の22分間進む」という動きをくり返すことが分かります。
※ ただし、1回目の出会いのときだけは例外。
この表を利用して、時計回りと反時計回りに進んだ距離の合計をそれぞれ求めてみると、
・時計回り→分速2㎝で3分の22分ずつ3回進んだので、2×3分の22×3=44㎝
・反時計回り→1回目は分速1㎝で6分、残りの3回は分速1㎝で3分の22分ずつ進んだので、1×6+1×3分の22×3=28㎝
となることから、点Qは次の図のように、出発点である頂点Bから時計回りに44-28=16㎝進んだことが分かります。
また、進んだ時間の合計は「1回目は6分」と「2回目から7回目までは3分の22分ずつ」なので、6+3分の22×6=50分です。
以上から、答えは「50分後、辺BC上で、点Cから2㎝のところ」になります。
※ 「点Bから6㎝のところ」でもOKです。
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