次の図Aのような、一辺が5個の正方形の形に置いた碁石を、図Bのように、たての列の個数がAと同じになるように並べかえます。すると図Bは、たての列が3列と余り1個となります。同じように、一辺が5個以上の正方形の形に置いた碁石を並べかえたときの余りの個数のことを「端数」と呼ぶことにします。図Bの場合は、「端数が1」となるわけです。このとき、次の各問いに答えなさい。それぞれ考え方と計算も書きなさい。
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(1)
一辺が6個の正方形を並びかえたときの端数を求めなさい。
(2)
端数が4となるときの碁石の総数を求めなさい。
(3)
碁石の総数は、「(端数)×( ア )+( イ )」で求めることができます。この( ア )と( イ )にあてはまる数をそれぞれ求めなさい。
【問題文の追記】
この方法は「薬師算」と呼ばれ、江戸時代に書かれた和算書「塵却記」に載っているものです。
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(1)
たとえば1辺に碁石が5個並んでいる場合、普通は次の図1のように5-1=4個ずつ4か所のグループに分けます。
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もし1グループの数と1辺に並ぶ碁石の数をそろえたい場合は、次の図2のように、
① まずは左のたて1列に並ぶ5個の碁石を青色の枠で囲む。
② 上段と下段にある4+1=5個もそれぞれ緑色の枠で囲む。
③ 最後に残った黄色い部分が端数の碁石となる。
という流れから、1辺に碁石が5個並んでいる場合、端数の碁石は1個であることが分かります。
というわけで、次の図3を利用して1辺に碁石が6個並んだ正方形の場合の端数を求めてみると・・・
① まずは左のたて1列に並ぶ6個の碁石を青色の枠で囲む。
② 上段と下段にある5+1=6個もそれぞれ緑色の枠で囲む。
③ 最後に残った黄色い部分が端数の碁石となる。
という流れから、1辺に碁石が6個並んでいる場合、端数の碁石は2個になります。
(2)
1辺が5個と6個のときの正方形を次の図4のようにもう一度見直してみると・・・
・1辺が5個の正方形→端数の1個が上下左右に1か所ずつ+4すみに3個ずつ
・1辺が6個の正方形→端数の2個が上下左右に1か所ずつ+4すみに3個ずつ
となっています。
つまり端数が4個の場合は、次の図5のように「上下左右に4個ずつ」と「4すみに3個ずつ」という形で碁石が並んでいるので、碁石は全部で4×4+4×3=28個になります。
(3)
これまでの流れから分かるように、碁石を正方形のように並べた場合は、
・端数の□個が上下左右に1か所ずつ→合わせて□個×4
・4すみにはいつでも碁石が3個ずつ→合わせて4×3=12個
という形になっています。
つまり、碁石の総数を求める式は「(端数)×4+12個」と表すことができるので、( ア )には4、( イ )には12がそれぞれあてはまります。
【補足】
そもそも薬師算というのは、
・正方形に並んだ碁石の総数は「(端数)×4+12個」で求められる。
・12といえば薬師如来さまの十二神将でしょ。
という流れでその名がつけられたそうです。
ありがたやありがたや・・・(-人-)
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