下の図は、高さが縦や横の長さの2倍より長い直方体で、この直方体の辺に沿って2点P、Qが動きました。2点は同時にAを出発し、点Pは毎秒2㎝の速さでE、Fを通ってBまで、点Qは毎秒1㎝の速さでD、Cを通ってBまで動き、同時に着きました。下のグラフは、P、QがAを出発してからの時間と、三角形ABPと三角形ABQの面積の和の関係を表しています。次の問いに答えなさい。
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(1) AB、AD、AEの長さをそれぞれ求めなさい。
(2) ア、イの値を求めなさい。
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(1)
まずは時間の経過とともに三角形ABPと三角形ABQの面積がどのように変化していくのかを確認しながら、辺ADと辺AEの長さを求めてみます。
【図1 スタートしてからしばらくの間】
次の図1のように、点PとQがそれぞれAを出発してからしばらくの間は、2つの三角形の面積がひたすら増えていくだけなので、面積の合計も勢いよく増えていきます。
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【図2 スタートしてから8秒後】
2つの点が出発してから8秒後、点Qは頂点Dに到着したため、三角形ABQの面積は次の図2のように最大になりました。
点Pはまだ頂点Eに到達していないので、三角形ABPの面積はもう少し増えるのですが、三角形ABQの面積が増えない分だけグラフの角度がゆるやかになります。
このとき、点Qは辺AD間を秒速1㎝で8秒間かけて進んだので、辺ADの長さは1×8=8㎝になります。
【図3 スタートしてから9秒後】
2つの点が出発してから9秒後、今度は点Pが頂点Eに到着したため、三角形ABPの面積は次の図3のように最大になりました。
ここからしばらくの間は、点Pが辺EF上を、そして点Qが辺DC上を移動しているので、2つの三角形の面積は最大のまましばらく変わらないことがグラフから読み取れます。
このとき、点Pは辺AE間を秒速2㎝で9秒間かけて進んだので、辺AEの長さは2×9=18㎝になります。
【辺ABの長さを求める】
点Pは毎秒2㎝、点Qは毎秒1㎝で進んで同時にゴールするので(問題文に書いてあります)、2つの点が進んだ距離の比は点P:点Q=2:1になります。
このとき、点Pと点Qが進んだ距離をそれぞれ確認してみると・・・
点Pが進んだ距離→辺AE+辺EF+辺FBだから、18×2=36㎝と辺EF
点Qが進んだ距離→辺AD+辺DC+辺CBだから、8×2=16㎝と辺DC
のようになります。
また、辺EFと辺DCはどちらも辺ABの長さと等しいので、その長さを□㎝とおくと、点Pと点Qが進んだ距離の関係は次のような線分図に表すことができます。
上の線分図の点Pと点Qの線にはどちらも「□㎝」があるので、2本の線の長さの差は36-16=20㎝です。
また、点Pが進んだ距離は②、点Qが進んだ距離は①なので、2本の線の長さの差は②-①=①とも表せます。
つまり、上の線分図の比の①が20㎝にあたるのですが、それは点Qが進んだ距離でもあるので、16㎝と□㎝の合計も20㎝になります。
以上から、辺ABの長さ(辺DCの長さと同じ)は20-16=4㎝になります。
(2)
グラフのアは、秒速1㎝で進む点Qが辺ADから辺DC、そして辺CBを進むのにかかった時間を表しています。
さっきの問題で点Qが進んだ距離の合計は20㎝であることが分かっているので、グラフのアには20÷1=20があてはまります。
※ 解答欄には単位の「秒」は書かないように注意しましょう。
グラフのイは2つの三角形の面積が最大のときの面積の合計を表しています。
三角形ABPの面積の最大値は4×18÷2=36㎠、そして三角形ABQの面積の最大値は4×8÷2=16㎠なので、イには36+16=52があてはまります。
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