正三角形ABCと長さが1㎝の棒PQがあります。最初、点Pは辺AB上に、点Qは辺BC上にあり、PBの長さとQBの長さはともに1㎝です。線PQを次のように正三角形の内側で動かします。図1のように、線PQを、初めに点Qを中心として点Pが正三角形の辺上に来るまで回転させます。次に、点Pを中心として点Qが正三角形の辺上に来るまで回転させます。このように、点Qと点Pを交互に中心とする線PQの回転を、点Pが最初の位置に来るまで繰り返します。
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正三角形ABCの1辺の長さが次の各場合のとき、点Pがえがく線の長さは、半径1㎝の円の周の長さの何倍ですか。
(1) 3㎝
(2) 4㎝
(3) 1234㎝
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(1)
長さ1㎝の棒PQが1辺3㎝の正三角形の内部を回転しながら移動する様子を、点Pが回転したときだけ図に表すと次のようになります。
この図のように、点Qを中心として3回目に回転移動したとき、点Pは辺AB上のスタート地点へ戻ります。
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上の図の青い孤はどれも中心角が120度なので、それを3本集めると中心角の合計は120×3=360度になります。
つまり、点Pが動いた長さはちょうど半径1㎝の円周1個分と等しいので、答えは1÷1=1倍になります。
(2)
1辺4㎝の正三角形ABCの辺AB上にある赤い点から、次の図のように棒PQが回転しながら移動するとき、点Pが動いた線は、
・辺BC上→中心角120度のおうぎ形が2個できる
・辺CA上→半円が1個できる
となります。
その後、辺AB上を進むときは次の図のように点Pが赤いスタート地点を飛び越えてしまうので、
・辺AB上→中心角120度のおうぎ形が2個できる
・辺BC上→半円が1個できる
という流れで2周目に突入します。
2周目に突入した棒PQは、次の図のように
・辺CA上→中心角120度のおうぎ形が2個できる
・辺AB上→半円が1個できる
という流れで回転移動したとき、点Pが赤いスタート地点に到着します。
つまり、点Pが動いてできた線は
・中心角120度のおうぎ形の孤が2×3=6個
・半円が3個
なので、中心角の合計は120×6+180×3=1260度になります。
したがって、答えは1260÷360=3.5倍です。
(3)
1辺1234㎝の正三角形ABCの辺AB上にある赤い点から、次の図のように棒PQが回転しながら辺BC上を移動するとき、点Pが動いた線は、
・中心角120度のおうぎ形が左右のはしに1個ずつできる
・半円が(1234-2×2)÷2=615個できる
となり、次の辺CA上は点Pから始まります。
また、次の図のように辺CA上を進むときには、(1234-1×2)÷2=616個の半円ができ、次の辺AB上は点Qから始まります。
※ つまり、正三角形の辺を進むごとに「中心角120度のおうぎ形2個+半円615個」と「半円616個」の繰り返し。
棒PQが次の図のように辺AB上を進むときには、また「中心角120度のおうぎ形2個+半円615個」ができるのですが、点Pは赤いスタート地点を飛び越えてしまうため、2周目突入が確定します。
また、最初は赤いスタート地点に点Pがいて、1周したらそこには点Qが来たので、もう1周したら赤い地点に点Pが来ることも分かります。
これまでに分かったことをもとにして、棒PQが正三角形の内部を2周するときに点Pが動いてできる線についてまとめてみると、
【1周目】
・辺BC上→中心角120度のおうぎ形2個+半円615個
・辺CA上→半円616個
・辺AB上→中心角120度のおうぎ形2個+半円615個
【2周目】
・辺BC上→半円616個
・辺CA上→中心角120度のおうぎ形2個+半円615個
・辺AB上→半円616個
となるので、中心角120度のおうぎ形は全部で2×3=6個、そして半円は(615+616)×3=3693個できます。
120×6=720度なので、中心角120度のおうぎ形を6個つなげると円が720÷360=2個できます。
また、半円3693個を全部つなげると円が3693÷2=1846.5個できるので、答えは2+1846.5=1848.5倍になります。
【追記】
(1)で1辺3㎝、(2)で1辺4㎝の場合を解いた時点で「あー、1辺の長さが奇数なら1周、偶数なら2周する仕組みかも・・・」と気がつけば話は早いんだけど、もしそんなふうに勘が働かなくても普通に解けますね。
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