中心が同じ点Oである2つの円があります。大きい円の半径は2㎝、小さい円の半径は1㎝で、円の中心からのびている直線と大きい円との交わった点をA、小さい円との交わった点をBとします。点PとQは大きい円の周の上を、Pは反時計回りに10秒で1周し、Qは時計回りに5秒で1周します。また、点Rは小さい円の周の上を反時計回りに10秒で1周します。最初、2つの点P、Qは点Aにあり、点Rは点Bにあります。3つの点P、Q、Rが同時に動き始めるとき、次の各問いに答えなさい。ただし、3つの点P、Q、Rはそれぞれ一定の速さで動くものとします。
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(1)
3つの点P、Q、Rが初めてひとつの直線の上に並ぶのは、動き始めてから何秒後ですか。
(2)
3つの点P、Q、Rを結んでできる三角形の面積を考えます。
①
三角形PQRの面積が最も大きくなるとき、その面積は何㎠ですか。
②
三角形PQRの面積が2回目に最も大きくなるのは動き始めてから何秒後ですか。
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(1)
まずは3つの点が1秒間に進む角度と動く方向をそれぞれ確認してみると、
・点P→1秒間に360÷10=36度ずつ、反時計回りに進む
・点Q→1秒間に360÷5=72度ずつ、時計回りに進む
・点R→1秒間に360÷10=36度ずつ、反時計回りに進む
となるので、点PとRは進む速さも方向も同じであり、円の中心Oと点P、Rの3つを結ぶと常に一直線となることが分かります。
また、「点P、R」と「点Q」が進む速さは36度:72度=1:2なので、次の図のように3つの点P、Q、Rが初めてひとつの直線の上に並んだとき、
・点PとRが進んだ角度→180×3分の1=60度
・点Qが進んだ角度→180×3分の2=120度
となることが分かります(180度を1:2に比例配分)。
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点PとRは1秒間に36度の割合で進むので、60度進むのはスタートしてから60÷36=3分の5秒後になります。
【補足】
「毎秒36度ずつ進む点と72度ずつ進む点が、逆方向へ動いて合わせて180度進むまでにかかる時間」という感じで、旅人算っぽく180÷(36+72)=3分の5秒後と求めてももちろんOKです。
(2)の①
まずはこの問題を解くのに必要な予備知識の確認から始めます。ものすごく基本的な話なので「そこまで馬鹿にすんな!」と思う人もいるかもしれませんが、そういう場合は広い心でスルーしてください。
次の図の三角形ア~ウは、どれも辺ABとBCの長さが等しい二等辺三角形です。
この3つの三角形の底辺をすべてBCとすると、高さがもっとも高くなるのは角ABCが直角となるイのときなので、ア~ウの中で面積が最大なのはイであることが分かります。
つまり、辺ABとBCの長さが等しい二等辺三角形の面積が最大となるのは、角ABCが直角となるときであり、そのときのABCは直角二等辺三角形になります。
次の図の三角形OPQは辺OPとOQの長さがどちらも2㎝で等しいので、その2辺が作る角POQが直角となるとき、三角形OPQの面積は最大となります。
また、そのときのOPQは直角二等辺三角形なので、面積は2×2÷2=2㎠です。
上の図の辺ORとRPの長さはどちらも常に1㎝で等しいので、三角形PQRの面積はいつでもOPQの半分になります。
※ 三角形POQの面積は常に辺RQで2等分されるから。
つまり、三角形OPQの面積が最大であればPQRの面積も最大となるので、三角形PQRの面積の最大値は、上の図の三角形OPQの面積の半分にあたる2÷2=1㎠です。
(2)の②
さっきの図だと、「点P、R」と「点Q」の動いた角度の合計が90度になったときに三角形POQの内角である角POQが直角となり、そのとき円の中心角の残りは360-90=270度でした。
逆にいえば、「点P、R」と「点Q」の動いた角度の合計が270度になったとき、残りの角度は直角となるので、三角形OPQは再び直角二等辺三角形になります。
また、「点P、R」と「点Q」が進む速さは1:2なので、動いた角度の合計が270度となったとき、
・点PとRが進んだ角度→270×3分の1=90度
・点Qが進んだ角度→270×3分の2=180度
となることが分かります(次の図参照)。
上の図で「点P、R」の動いた角度が90度となるのは、スタートしてから90÷36=2.5秒後です。
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