次の図1のように、1辺が1㎝の正三角形を底面とする三角柱が平面の上に固定されていて、半径1㎝の円形の輪が、三角柱が内部にくるように平面上に置かれています。この輪を平面上で動かすことを考えます。図2は輪が動く様子を真上から見たものです。
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(1)
輪が動けるところをすべて動いたとき、輪が通過した部分を、図中に境界となる線をかいたうえで斜線で示しなさい。ただし、太線の正三角形を三角柱の底面とします。
(2)
(1)で答えた部分の面積を答えなさい。ただし、円周率は3.14とします。
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(1)
半径1㎝(つまり直径は2㎝)の緑色の円を、次の図のように三角柱の点Aで固定して動かしてみると、円の直径ADがAEまで通ったときにできる青い図形は、半径2㎝で中心角60度のおうぎ形になります。
ただし、実際には円が三角柱の内部を通ることはできないので、その部分に斜線を引いてはいけません。
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次の図のように、緑色の円が三角柱の頂点AとBに接しているとき、オレンジ色の部分は半径1㎝、中心角60度のおうぎ形になります。
また、この図のピンク色の部分は緑色の円が頂点AとBで引っ掛かって絶対に通過できないので、その部分に斜線を引いてはいけません。
これまでに分かったことをふまえて円が通過する部分を図に表してみると次のようになります。
この図の緑色は円が通る部分の境界線、そして青色とオレンジ色は斜線を引く部分をそれぞれ表しています。
また、三角柱の内部とピンク色の部分は円が通過できないので、斜線を引いてはいけません。
(2)
次の図のオレンジ色の部分をピンク色の部分に移すと、青い部分とオレンジ色の部分の面積の合計はおうぎ形ADEと等しくなります。
おうぎ形ADEは半径2㎝で中心角60度なので、面積は「2×2×3.14×6分の1」を計算すれば求められます。
実際には、円が通過した部分の面積は上の図の青色とオレンジ色の部分が3セットあるので、答えは2×2×3.14×6分の1×3=6.28㎠になります。
【ひとりごと】
「んー、なんか見たことある図だなー」と思ったら、駒場東邦2010【2】の(1)と同じような図で、問題の仕組みも多少似てました。
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