袋の中に数を書いたいくつかの玉が入っています。この袋に、
『2個の玉を袋の中から取って、2つの数の平均を書いた玉1個を袋に戻す』
という操作を、袋に入っている玉が1個になるまで繰り返し行います。
例えば、袋に「1」、「2」、「3」と書いた3個の玉が入っているとき、最初に2と3の玉を取った場合には、「1」と「2.5」の2個の玉になり、最後に「1.75」の玉が残ります。
次の問いに答えなさい。
(1)
連続する3つの数「3」、「4」、「5」を書いた3個の玉が入っている袋に、操作を繰り返し行いました。最後に残る玉に書かれた数は何ですか。考えられるもののうち、最も小さい数を答えなさい。
(2)
連続する4つの整数を書いた4個の玉が入っている袋に、操作を繰り返し行います。このとき、最後に残る玉に書かれた数として考えられるもののうち、最も小さい数は5.875です。
(ア) はじめに袋に入っていた玉に書かれた4つの整数は何ですか。4つの整数すべてを書きなさい。
(イ) 最後に残る玉に書かれた数として考えられるもののうち、最も大きい数は何ですか。
(ウ) 最後に残った玉に書かれた数が6.875でした。最初に取った2個の玉に書かれた数は何ですか。考えられる数の組み合わせを、(○と△)のようにして、すべて答えなさい。
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(1)
最後の玉に書かれた数をなるべく小さくするためには、
・いちばん小さい数は最後まで残しておく
・大きい2つの数を平均して1つの玉に変えてしまう
という2つのルールがあります。
そのルールにしたがって「3」、「4」、「5」で作業を進めてみると・・・
1回目→大きい2つの数を平均して、(4+5)÷2=4.5の玉に変えます。
2回目→残しておいた「3」との平均は、(3+4.5)÷2=3.75になります。
※ この作業を図に表してみると、次のようになります。
(2)の(ア)
4つの連続した整数を小さい順にA、B、C、Dとおくと、最後の玉に書かれた数をなるべく小さくするためには、
1回目→CとDの平均を求める。その答えをEとする。
2回目→BとEの平均を求める。その答えをFとする。
3回目→AとFの平均を求める。その答えが5.875である。
という流れで作業を進めていきます。
その流れをさっきと同じように図に表してみると、次のようになります。
上の図のAからFまでは1+0.75=1.75はなれているので、図の?は1.75÷2=0.875になります。
Aは最後の平均である5.875よりも0.875小さい数である5になるので、連続する4つの整数は「5」、「6」、「7」、「8」になります。
(2)の(イ)
「5」、「6」、「7」、「8」の最後の平均をなるべく大きくするためには、いちばん大きい数である「8」を最後まで残しておいて、小さい数の平均から順に求めていけばOKです。
1回目→(5+6)÷2=5.5
2回目→(5.5+7)÷2=6.25
3回目→(6.25+8)÷2=7.125になります。
(2)の(ウ)
最後(3回目)の平均である6.875を手掛かりにして、2回目の平均→1回目の平均の順に過去へさかのぼっていきます。
3回目の平均である6.875=(5から8までのどれか1つ+2回目の平均)÷2なので、とりあえず5から8までのうち、好きな数を1つ選んでください。日ごろの行いが正しい人なら正解の数が一発で選べるはずです(笑)
さっそく「5」を選んでみると、次のような図になります。
最後の平均である6.875と左はしの5との差は1.875なので、右はしの数(つまり2回目の平均)は6.875+1.875=8.75になってしまいます。
8までしかないのに平均がそれを超えちゃうのは、さすがにおかしいですね。
というわけで、気を取り直して「6」を選んでみると次のような図になります。
3回目→(6+7.75)÷2=6.875 つまり、2回目の平均は7.75
2回目→(7+□)÷2=7.75 つまり、1回目の平均は7.75×2-7=8.5
はい、これも1回目の平均が8を超えてしまうのでダメですね。
こんなことでくじけずに、今度は「7」を選んで再挑戦です。
3回目→(6.75+7)÷2=6.875 つまり、2回目の平均は6.75
2回目→(□+8)÷2=6.75 つまり、1回目の平均は6.75×2-8=5.5
1回目→5.5は、まだ選んでいない「5」と「6」の平均になっている。
つまり、1回目に「5」と「6」の玉を選んだ場合に、最後の平均が6.875になることが分かります。
では最後に「8」を選んで、同じように調べてみましょう。
3回目→(5.75+8)÷2=6.875 つまり、2回目の平均は5.75
2回目→(5+□)÷2=5.75 つまり、1回目の平均は5.75×2-5=6.5
1回目→6.5は、まだ選んでいない「6」と「7」の平均になっている。
つまり、1回目に「6」と「7」の玉を選んだ場合でも、最後の平均が6.875になることが分かります。
以上から、求める組み合わせは(5と6)、(6と7)の2通りになります。
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