整数の中で1とその数自身の他に約数をもたない数を素数といいます。1以外の整数を2倍した数、3倍した数、・・・は3つ以上の約数があることになるので素数にはなりません。
花子さんは1から100までの整数にどのような素数があるのかを調べることにしました。1は素数ではないのでまず1を消し、そのあと2以外の2の倍数、3以外の3の倍数、・・・を次々に消していきました。
下の表は3以外の3の倍数までを消していった様子を表しています。これを消せる数がなくなるまで行い、残った数が素数になります。
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(1)
1から100までのうち、素数は何個ありますか。
(2)
1から100までの素数をすべて見つけるためには、( )の倍数までを消せばよい。( )にあてはまる整数を答え、なぜその倍数までを消せばよいのかを説明しなさい。
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(1)
「2の倍数を消す→3の倍数を消す」という流れだから、次はもちろん4の倍数を消していくんだろうなぁ、と安易に考えちゃダメです(笑)
なぜなら、4の倍数は2の倍数でもあるので、すでに全部消してしまったからです。
というわけで、次は5以外の5の倍数をどんどん消していくと次の図のようになります。
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5の倍数を「5×□」と表すと、□に2以上4以下の数を入れた場合の答えは、すでに2や3、4の倍数として消えていました。
※ 5×2=2×5だから2の倍数、5×3=3×5だから3の倍数、5×4=4×5だから4の倍数。
したがって、□に5以上の数をあてはめたときの数の中で、まだ消えていない数に赤い斜線を引きました。
次は6の倍数、ではなく7の倍数を消していきます。6の倍数は2の倍数でもあるので、すでに全部消えていますね。
7の倍数を「7×□」と表すと、□に2以上6以下の数を入れた場合の答えは、すでに2~6の倍数として消えています。
※ 7×2=2×7だから2の倍数、7×3=3×7だから3の倍数、7×4=4×7だから4の倍数、7×5=5×7だから5の倍数、7×6=6×7だから6の倍数。
したがって、□に7以上の数をあてはめたときの数の中で、まだ消えていない数に緑色の斜線を引きました。
さて、次は何の倍数を消したらいいのかを考えてみると・・・
・8の倍数はすでに2の倍数として確認済み。
・9の倍数はすでに3の倍数として確認済み。
・10の倍数はすでに2の倍数として確認済み。
次の11は素数なのでまだ確認してないのですが、11の倍数を「11×□」と表すと、□に2以上10以下の数を入れたときの答えはすでに全部消してあるはずです。
※ 11×2=2×11だから2の倍数、11×3=3×11だから3の倍数、11×4=4×11だから4の倍数、・・・
そこで□に11以上の数をあてはめてみると、11×11=121だから100を超えてしまいます。
以上から、1から100までの中にある素数は、次の図の青い○で囲った25個になります。
(2)
さっきの問題を解いた結果、2から100までの中にある素数をすべて見つけるためには7の倍数まで消していけばOKであることが分かりました。
そこでその理由を簡単にまとめてみると・・・
2から100までの整数をすべて「□×△」という形で表すと、100=10×10なので、最終的には10の倍数まで確認する必要があります。
2の倍数、3の倍数を消した時点で、4の倍数、6の倍数、8の倍数、9の倍数、10の倍数はすべて消したことになります。
あとは残りの5の倍数と7の倍数をすべて消してしまえば、100以下の素数の数をすべて見つけることができます。
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