ある駅の通路には、一直線に、長さが60mの動く歩道が2つあります。1つ目の動く歩道の始まりと終わりの地点をそれぞれA、Bとし、2つ目の動く歩道の始まりと終わりの地点をそれぞれC、Dとします。お父さんと明子さんはA地点からD地点に向かって同時にスタートしました。お父さんは動く歩道に乗り、明子さんは動く歩道にそって歩きました。お父さんは、1つ目の動く歩道の上では止まったまま乗っていたので、明子さんがB地点に来たとき、お父さんは明子さんより15m後ろにいました。その後、お父さんがB地点から歩き始めてC地点に来たとき、明子さんはお父さんより17m先にいました。そして、お父さんは、2つ目の動く歩道の上でもそのままの速さで歩いていたので、お父さんがD地点に着いたとき、明子さんはお父さんより13m後ろにいました。
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(1) 次の速さの比を、もっとも簡単な整数の比で表しなさい。
① 明子さんの歩く速さと、動く歩道の動く速さ
② 明子さんの歩く速さと、お父さんの歩く速さ
(2) BとCの間の距離を求めなさい。
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(1)の①
AB間はお父さんが歩道の上で歩かずに止まっているので、そのときの速さの比を求めれば明子さんと動く歩道の速さの比が求められます。
明子さんが60m歩いてB地点に着いたとき、お父さんは次の図のようにBより15m後ろの地点にいたので、明子さんが60m進むのにかかる時間で、動く歩道は60-15=45m進みます。
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つまり、同じ時間に進む距離の比は明子:歩道=60m:45m=4:3なので、速さの比もそれと同じく4:3になります。
※ 速さの比=同じ時間に進む距離の比
(1)の②
お父さんがC地点に到着したとき、明子さんはそれよりも17m先にいましたが、そこからはお父さんが動く歩道の上を歩いて進んでスピードアップして途中で追い越しました。
その結果、お父さんがD地点に着いたとき、明子さんは次の図のようにDよりも13m後ろの地点にいました。
つまり、お父さんが動く歩道と自分の足のダブルパワーでCD間の60mを進む間に、明子さんは60-(17+13)=30m進むので、「歩く明子さん」と「動く歩道+歩くお父さん」の速さの比は30m:60m=1:2になります。
さっきの問題で「歩く明子さん」と「動く歩道」の速さの比は4:3であることが分かったので、「歩く明子さん」と「動く歩道+歩くお父さん」の速さの比も合わせて連比を求めてみると次の図のようになります。
上の図のように、「歩く明子さん」の速さの比を4とすると、「動く歩道」の速さの比は3、そして「動く歩道+歩くお父さん」の速さの比は8と表せます。
つまり、「歩くお父さん」の速さの比は8-3=5となるので、明子さんとお父さんの速さの比は4:5になります。
(2)
明子さんがB地点に着いたとき、お父さんはその15m後ろにいて、自分では歩かずに動く歩道の速さで進んでいます。
「歩く明子さん」と「動く歩道」の速さの比は4:3なので、次の図でお父さんが残りの15mを進む間に明子さんが進む距離を□mとおくと、4:3=□m:15mという比例式ができます。
4×15÷3=20mなので、父がB地点に着いたとき、明子さんは次の図のようにそれよりも20m先の地点にいます。
その後、お父さんはBC間を自分の足で歩き、C地点に着いたときには明子さんはそれよりも17m先の地点にいました。
「歩く明子さん」と「歩くお父さん」の速さの比は4:5なので、次の図のようにお父さんが歩いたBC間の距離を⑤とおくと、そこから明子さんがいる地点までの距離は17mなので、B地点から明子さんがいる地点までの距離は「⑤+17m」と表せます。
また、お父さんがB地点にいたときに20mリードしていた明子さんは、そこから④の距離だけ進んだので、B地点から明子さんがいる地点までの距離は「20m+④」とも表せます。
「⑤+17m」と「20m+④」を次の図のような2本の線分図に書きかえて並べてみると、比の⑤-④=①が20-17=3mにあたることが分かります。
※ お父さんは比の⑤、明子さんは比の④だけ歩いたら、2人の距離の差が20-17=3m縮まったので、比の⑤-④=①がその3mにあたる。
BC間の距離は比の⑤なので、答えは3×5=15mになります。
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