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2010

栄東2010【2】 ☆組み合わせ・フィボナッチ数列☆

○と×をいくつか並べるとき、×が2つ以上連続しない並べ方を考えます。例えば○と×を全部で2個並べるとき、条件を満たす並べ方は「○○」と「○×」と「×○」の3通りです。このとき、次の問いに答えなさい。
 
(1) ○と×を全部で3個並べるとき、条件を満たす並べ方は何通りになりますか。
 
(2) ○と×を全部で4個並べるとき、条件を満たす並べ方は何通りになりますか。
 
(3) ○と×を全部で10個並べるとき、条件を満たす並べ方は何通りになりますか。
 
 
※ 続きを見る場合は、下の「解説はこちらから」をクリック!

(1)
○と×を全部で3個並べる場合、次のように「○を3個使う」「○を2個使う」「○を1個使う」の3通りに場合分けして考えていきます。
 
・○を3個使う場合→「○○○」の1通りしかありません。
・○を2個使う場合→「×○○」「○×○」「×○○」の3通りあります。
・○を1個使う場合→「○×○」の1通りしかありません。
 
以上から、条件を満たす並べ方は全部で1+3+1=5通りになります。
 
 
(2)
大きく分けて「○を4個」「○を3個」「○を2個」の3通りが考えられるので、さっきと同じように場合分けしてていねいに数えてみます。
 
【○を4個使う場合】
 
どう考えても「○○○○」の1通りしかありえません。
 
【○を3個使う場合】
 
次のAからDまでの4つのマスのうちのどれか1つに×をあてはめれば、残りの3つのマスは自動的にすべて○になるので、全部で4通りになります。
 
※ 画像はすべて、クリックすると拡大します。

sakat201.png








【○を2個使う場合】
 
○を2個使う場合は×も2個使うことになるので、まずは次の4つのマスに2個の×をとなり合わせにならないように並べ、その後で残り2つのマスに○をあてはめます。

sakat202.png









 
上の図のAからDに2個の×をあてはめる方法は(A・C)、(A・D)、(B・D)の3組が考えられるので、この場合の並べ方は3通りになります。
 
以上から、○と×を4個使う場合、条件を満たす並べ方は全部で1+4+3=8通りになります。
 
 
(3)
さっきと同じように「○を10個」とか「○を9個」のように場合分けして数えても答えは求められるのですが、それはちょっと大変そうですよね。
 
というわけで、ここまでの流れを振り返って規則性を見つけてみると・・・
 
・○と×を合わせて2個使うとき→並べ方は全部で3通り
・○と×を合わせて3個使うとき→並べ方は全部で5通り
・○と×を合わせて4個使うとき→並べ方は全部で8通り
 
となっていることから、鋭い人はフィボナッチ数列のことを思い浮かべることができると思います。
 
フィボナッチ数列とは、たとえば「1→1→2→3→5→8」のように、前の2つの数の和が次の数になっている数列のことです。
 
実際に、○と×を4個使う場合の並べ方は、「2個使う場合の並べ方である3通り」「3個使う場合の並べ方である5通り」の和である8通りになっています。
 
でもそれは単なる偶然かもしれないので(笑)、○と×を5個使う場合の並べ方が5+8=13通りになっているかどうかを念のために確認してみます。
 
×が重ならないように○と×を合わせて5個並べる方法は、大きく分けて「○を5個」「○を4個」「○を3個」「○を2個」の4通りが考えられます。
 
このうち、○を5個使う場合は「○○○○○」の1通り、○を2個使う場合は「×○×○×」の1通りしかないので、あとは「○を4個」と「○を3個」の場合をそれぞれていねいに数えてみます。
 
【○を4個使う場合】
 
次のAからEまでの5つのマスのうちのどれか1つに×をあてはめれば、残りの4つのマスは自動的にすべて○になるので、全部で5通りになります。

sakat203.png








【○を3個使う場合】
 
○を3個使う場合は×を2個使うことになるので、まずは次の5つのマスに2個の×をとなり合わせにならないように並べ、その後で残り3つのマスに○をあてはめます。

sakat204.png









上の図のAからEに2個の×をあてはめる方法は(A・C)、(A・D)、(A・E) 、(B・D)、(B・E)、(C・E)の6組が考えられるので、この場合の並べ方は6通りになります。
 
以上から、条件通りに○と×を合わせて5個並べる方法は、全部で1+5+6+1=13通りとなり、次の図のようにフィボナッチ数列の考え方がピッタリあてはまることが確認できました。

sakat205.png




フィボナッチ数列の規則に従って、上の図の続きを計算してみると・・・
 
・6個使う場合→8+13=21通り
・7個使う場合→13+21=34通り
・8個使う場合→21+34=55通り
・9個使う場合→34+55=89通り
 
となるので、○と×を合わせて10個使う場合の並べ方は、全部で55+89=144通りになります。


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