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Mon
2011
問題を解く前に、まずは次のグラフのア~オの区間で3人が進んだ様子をそれぞれ確認してみると、
【アからイ】
最初はA君とC君がP市、B君がQ市にいるので、P市からいちばん遠い地点にいるのはB君である。A君がP市を出発してから12分間は、まだA君がB君のいるQ市まで到着できず、B君もQ市で動かずじっとしているので、グラフは横ばいのままである。
【イからM】
B君がQ市からR市へ向けて出発し、P市からB君のいる地点までの距離が少しずつ遠ざかるため、グラフが傾き始める。ただし、グラフのMのときにA君に追い越されるため、その後はP市からいちばん遠い地点にいるのがA君に代わる。
【Mからウ】
A君はB君よりも速いので、「イからM」のときに比べてグラフの傾きが急になる。「ウからエ」の方がさらにグラフの傾きが急になるのは、ウのときにC君に追い越され、その後はP市からいちばん遠い地点にいるのがC君に代わるからである。
【ウからエ】
ウのときにA君に追いついたC君は、そのままの速さでR市へ向かい、エのときにR市へ到着する。その間もA君とB君はR市に向かって進み続けている。
【エからオ】
エのときにC君が、その後はA君、B君の順でR市に到着してグラフは終わる。
という感じになります。
※ 画像はすべて、クリックすると拡大します。
(1)
P市からR市までは8000m、P市からR市までは2220m離れているので、Q市とR市は、次の図のように8000-2220=5780m離れています。
B君はその距離を、グラフの「12分」から「80分」までの80-12=68分かけて進んだので、B君の進む速さは5780÷68=分速85mになります。
(2)
A君は、P市を出発してから50分後、P市から6250m離れた地点でC君に追いつかれます。
※ そのとき、B君はすでにA君とC君の2人に追い越されています。
つまり、A君はP市からの6250mを50分かけて進むので、その速さは6250÷50=分速125mになります。
B君がQ市を出発するまでの12分間で、A君はP市から125×12=1500m進むので、その時点でA君とB君の距離は、次の図のように2220-1500=720mまで近づいています。
また、A君は分速125m、B君は分速85mで同じ方向へ進んでいるので、720m差を追いつくまでにかかる時間を求めてみると、720÷(125-85)=18分となります。
B君が18分間で進む距離(上の図のQX間)は85×18=1530mなので、PからXまでの距離は、2220+1530=3750(m)になります。
また、次の問題に備えて、A君がP市からR市まで進むのにかかる時間を求めておくと、8000÷125=64分になります。
(3)
C君はグラフの「50分」のとき、P市から6250m離れた地点でA君に追いつき、「57分」にR市へ到着しました。
つまり、C君は57-50=7分間で8000-6250=1750m進んだので、その速さは1750÷7=分速250mです。
また、C君がP市からR市までの8000mを進むのにかかる時間は8000÷250=32分なので、C君がP市を出発したのはグラフの57-32=25分だと分かります。
3人のR市までの進み方について、これまでに分かったことを確認してみると、
・A君→分速125mで進む。グラフの「0分」のときP市を出発し、「64分」にR市へ到着。
・B君→分速85mで進む。グラフの「12分」のときQ市を出発し、「80分」にR市へ到着。
・C君→分速250mで進む。グラフの「25分」のときP市を出発し、「57分」にR市へ到着。
となるので、3人がR市まで進む様子をグラフに表すと次のようになります。
上のグラフを見れば分かるように、3人の距離が最も接近するのは、C君がB君にちょうど追いつき、A君は何とかリードを保っている状態のとき(上の図の黄色い部分)です。
つまり、この問題は「C君がB君に追いつくのは、A君がP市を出発してから何分後なのか」を求めればOKなので、次のグラフのようにA君の線を消して、B君とC君の関係だけを見ることにします。
B君がQ市を出発する時刻は、C君がP市を出発するときよりも25-12=13分早いので、B君はその13分間で85×13=1105m進みます。
したがって、C君がP市を出発するとき、B君はP市から2220+1105=3325m進んだ地点にいます。
C君がその差を追いつくまでにかかる時間は3325÷(250-85)=33分の665分間ですが、この問題で求めたいのは「A君がP市を出発してから何分後か」なので、答えは25+33分の665=33分の1490分後になります。
【補足】
最後の問題の解説で、3人の距離が最も接近するときを見つけるためにわざわざグラフを作成しましたが、「実際に問題を解くときにそんなグラフを作成してる暇ないってば!」と言われりゃ「あー、そうかもしれんねー」と答えるしかありません(笑)
※ 個人的にこの問題を解いたときは、定規を使ってグラフを作成しました。
もしグラフなしでこの問題を解くのなら、「3人の距離が最も接近するのは、3人のうちの2人が同じ地点にいるときでしょ?」と見当をつけた上で、
・A君がB君に追いついた地点と、そのときC君がいる場所との距離
・C君がB君に追いついた地点と、そのときA君がいる場所との距離
・C君がA君に追いついた地点と、そのときB君がいる場所との距離
の3通りを計算でサクッと求め、どれがいちばん近い距離なのかを確認すればOKです。
ただ、その3通りを計算するのもけっこう手間がかかるので、普通にグラフを作成した方が見当つけやすいんじゃないかなー、と個人的には思います。
それと、グラフを作成するかどうかはともかくとして、「3人の距離が最も接近するのは、3人のうちの2人が同じ地点にいるとき」だとすぐ気がつくことは最低限必要なことだと思います。
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