あるマラソンコースはA地点からB地点に向かって走る場合、全体の6分の1が上り坂、4分の1が下り坂、残りが平らな道となっています。
まず、太郎君と花子さんがA地点を同時に出発してB地点へ向かいました。太郎君は一定の速さで走り、花子さんは上りでは太郎君の4分の3倍、下りでは5分の6倍、平らな道では太郎君と同じ速さで走ったところ、太郎君の方が1分30秒早くB地点に到着しました。
次の問いに答えなさい。(式や考え方も書きなさい)
(1)
太郎君はA地点からB地点に行くのに何時間何分かかりましたか。
(2)
2人は少し休んで、こんどはB地点を同時に出発してA地点へもどりました。太郎君は来るときよりも10%おそい一定の速さで走り、花子さんの上り、下り、平らな道での速さはそれぞれ来るときと同じでした。太郎君と花子さんのどちらが何分早くA地点に到着しましたか。
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(1)
まずはコース全体の上り、下り、平地の比を求めてみます。
コース全体の距離を1とおくと、上りが6分の1、下りが4分の1なので、平地の割合は1-(6分の1+4分の1)=12分の7と表せます。
つまり、上りと下りと平地の長さの比は、6分の1:4分の1:12分の7=2:3:7になります。
次に上りと下りそれぞれの2人の速さの比を確認してみると、上りの速さは花子さんが太郎君の4分の3倍なので、太郎:花子=1:4分の3=4:3、そして下りのときは花子さんが太郎君の5分の6倍なので、太郎:花子=1:5分の6=5:6と表せます。
このとき、2つの比では太郎君の上りの速さは4、下りの速さは5になっているのですが、それだと問題文にある「太郎君は一定の速さで走り」という条件に合っていません。
そこで、次のように上りの速さの比は5倍、下りの速さの比は4倍して、太郎君の速さをどちらも20にそろえてみます。
上りのときの速さ・・・太郎:花子=4:3=20:15
下りのときの速さ・・・太郎:花子=5:6=20:24
ちなみに、太郎君はいつでも速さが一定なので、平地を進むときの速さも20と表せます。そして花子さんが平地を進むときの速さは太郎君と同じなので、やはりこちらも20となります。
【ここまで分かったことの確認】
・上りの距離→2 下りの距離→3 平地の距離→7
・太郎君が進む速さ→上りは20、下りも20、平地も20
・花子さんが進む速さ→上りは15、下りは24、平地は20
次はそれらの数を使って、2人がコース全体を進むのにかかった時間を求めてみます。速さの公式である「距離÷速さ=時間」を使ってひたすら計算していけば、次の図のようにわりと簡単に求められます。
※ 画像はすべて、クリックすると拡大します。
このとき、上の図で分かった時間の差の割合である120分の1は、2人がゴールするまでにかかった時間の差である1分30秒=1.5分にあたります。
太郎君がAB間にかかった時間の割合は120分の72なので、答えは1.5×72=108分=1時間48分になります。
(2)
B地点からA地点へ戻るとき、太郎君の速さはAからBへ進んだときよりも10%遅くなるので、20×(1-0.1)=18になります。
花子さんの速さはさっきの問題のときとまったく同じなので、上りは15、下りは24、そして平地は20のままです。
ただし次の図を見れば分かるように、行きと帰りでは上り坂と下り坂が入れ替わるので、上りと下りと平地の距離の比は2:3:7ではなく3:2:7になることがポイントです。
以上のことに気をつけながら、さっきの問題と同じように2人がBからAへ進むのにかかる時間を求めてみると次のような図になります。
さっきの問題で120分の1が1.5分にあたることを確認済みなので、120分の4は1.5×4=6分だと分かります。
以上から、B地点からA地点へ戻るときは花子さんの方が6分早くゴールに着きました。
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