まさし君のクラスでは、算数の授業で、ある装置を使った実験をしました。実験のために、10mのテープがまっすぐにはってあり、そのはしに装置をおきます。また、この装置は、下の図のようにテープと平行な方向に光のビームを出しています。そして、テープの上にある物体の動く様子について、測定を始めてからの時間と、装置から物体までの距離の関係をグラフに表すことができます。
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物体がテープのラインをはずれるか、または、測定開始から10秒をこえると、グラフには何も表されません。
例えば、ある人が秒速1mの一定の速さでテープの上を、装置から離れていくと、次のようなグラフが表されます。
このとき、次の問いに答えなさい。
(1)
まさし君は、0m地点をスタートして、最初の1秒間は時速3.6㎞、その次の1秒間は時速7.2㎞というように、1秒ごとに時速を3.6㎞ずつ早くしてテープの上を装置から離れていきました。そして、10m地点に着いたと同時に2秒間停止して、その後、装置に向かって一定の速さでテープの上を戻ってきたら、ちょうどスタートから10秒後に0m地点に着きました。
① まさし君の動きについて、装置が表したグラフをかきなさい。
② まさし君が10m地点から0m地点に戻ってくるときの速さは時速何㎞ですか。
(2)
次に、ただし君が実験をしたとき、この装置が次のようなグラフを表しました。ただし君は、10秒間でテープの上をどのように動いたのか説明しなさい。
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(1)の①
グラフの時間の単位は「秒」、距離の単位は「m」なので、まずはまさし君の進む速さを秒速□mの形に直しておくと、
・最初の1秒→時速3.6㎞=3.6×1000÷3600=秒速1m
・次の1秒→時速7.2㎞=1×2=秒速2m
となり、この後は1秒たつごとに進む速さが秒速1mずつ増えていきます。
このとき、まさし君が進んだ距離を時間の経過とともに確認してみると、
・最初の1秒→秒速1mなので、1×1=1m進んだ。
・次の1秒→秒速2mなので、2×1=2m進んだ。進んだ距離の合計は1+2=3m
・次の1秒→秒速3mなので、3×1=3m進んだ。進んだ距離の合計は3+3=6m
・次の1秒→秒速4mなので、4×1=4m進んだ。進んだ距離の合計は6+4=10m
となるので、まさし君はスタートから4秒後に10m進み、そこで2秒間休けいした後、次のグラフのようにスタート地点まで一定の速さで戻ってきます。
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(1)の②
上のグラフを見れば分かるように、まさし君は6秒後から10秒後までの4秒間でスタート地点までの10mを戻ってきました。
そのときの速さは10÷4=秒速2.5mとなるので、それを3.6倍して時速□㎞の形に直すと、2.5×3.6=時速9㎞になります。
(2)
次のグラフの青色、緑色、黄色の区間の特徴を読み取り、それぞれをていねいに説明していきます。
【青色の区間】
青色の区間は、ただし君が10m先からスタート地点まで戻ってくる様子を表しています。
このとき、上の図の赤い矢印の角度が少しずつ急になっていることからも分かるように、ただし君は少しずつ速度を上げながら戻っています。
【緑色の区間】
スタート地点に戻ったただし君は、そこで休むことなくすぐに引き返します。
また、緑色の区間はさっきと違って直線で表されているので、ただし君は一定の速さで進んだことが分かります。
【黄色の区間】
一定の速さでしばらく進んだただし君は、黄色の区間のときにはずっとそこで立ち止まっていました。
以上から、ただし君の10秒間の動きを言葉で説明すると、
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ただし君は10m先からスタート地点へ向けて少しずつ速度を上げながら進んだ。その後、スタート地点に着いてすぐに一定の速さで引き返し、途中の地点でしばらく立ち止まっているうちに、10秒間が経過した。
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となります。
特に「戻るとき→少しずつ速く」「引き返すとき→速さは一定」という2つの内容を盛り込んで説明できるかどうかが大切なポイントです。
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