ある川の上流にA地点、下流にB地点があります。A地点からB地点に向かって水に浮くボールを流すと同時に、B地点からひでき君が船に乗り、A地点に向かいました。船がボールとすれちがった後、しばらく上流へひでき君は進みました。その後、すぐに下流へ引き返しボールに追いつき、ボールを取りました。ただし、川の流れの速さは一定で毎秒2mです。船の静水での速さは一定です。ボールは川の流れと同じ速さで移動します。下のグラフは、ボールを下流へ流し始めてからの時間と、ひでき君を乗せた船とボールとの間の距離との関係を表したものです。このとき、次の問いに答えなさい。
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(1)
グラフのアにあてはまる数が200であるとき、ひでき君はちょうど A地点で下流へ引き返しました。ウにあてはまる数を答えなさい。
(2)
グラフのイにあてはまる数が700であるとき、ひでき君はちょうどB地点でボールを取りました。このとき、静水での船の速さは毎秒何mですか。
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(1)
アが200秒のときに次のグラフから読み取れることを確認しておくと、
・ボールはAから、船はBから出発するので、グラフの2000mはAB間の距離を表している。
・ボールと船は同時に出発してから200秒後にすれちがう。
・船はBからAまで川を上るのにイ秒かかる。
・Aで引き返した船が川を下ってボールに追いつくまでにかかる時間は、ウとイの差にあたる。
となります。
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ボールはAから、船はBから同時に向かい合わせで出発して200秒後に出会ったので、ボールと船の速さの和は2000÷200=秒速10mになります。
また、ボールは次の図のように川の流れの速さである秒速2mで進んでいたので、船がBからAへ向けて川を上るときの速さは10-2=秒速8mであることも分かります。
つまり、この船がBA間を進むのにかかる時間は2000÷8=250秒なので、グラフのイには250があてはまります。
船が川を下るときの速さは、次の図のように上りの速さよりも川の速さ2つ分だけスピードアップするので、この船がAからBへ向けて川を下るときの速さは、8+2+2=秒速12mです。
また、船がBA間を進む250秒の間に、ボールはAから2×250=500m進んでいるので、AからBへ引き返す船は、下りの速さである秒速12mでこのボールを追いかけます。
500÷(12-2)=50秒なので、グラフのウにはイから50秒後の数字があてはまります。
イは250なので、ウにあてはまる数は250+50=300になります。
(2)
グラフのイにあてはまる数が次の図のように700であること、ひでき君はちょうどB地点でボールを回収したことなどから、
・船はBからAへ上りの速さで700秒進んだ地点で引き返した。
・グラフのウには、ボールがAB間の2000mを秒速2mで進んだ時間があてはまる。
・ウとイの差は、船が引き返した地点からBまで下りの速さで進むのにかかった時間にあたる。
といったことが分かります。
ボールはAからBまで進むのに2000÷2=1000秒かかるので、グラフのウには1000があてはまります。
また、船はBから上りの速さで次の図のように700秒進んだ地点で引き返し、そこからBまでの距離を下りの速さで1000-700=300秒かけて戻ったことも分かります。
上の図から、この船が「引き返した地点」と「B」との間を進むとき、上りの速さで進むと700秒、下りの速さで進むと300秒かかることが分かるので、この船の上りと下りの時間の比は上り:下り=700秒:300秒=7:3になることが分かります。
また、時間の逆比は速さの比なので、この船の上りと下りの速さの比は上り:下り=3:7になります。
静水時の速さは上りと下りの速さの平均なので、(3+7)÷2=5と表せます。また、静水時の速さと上りの速さの差が川の流れの速さなので、次の図のように比の5-3=2が秒速2mにあたります。
比の2が秒速2mなので比の1は秒速1m、そして静水時の速さは比の5にあたるので、答えは1×5=秒速5mになります。
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