次の図1のように、P町からQ町までの間に2つの峠があります。A君はP町からQ町へ、B君はQ町からP町へ向かって同時に出発して歩いて行きました。2人の歩く速さは等しく、上りは毎時2㎞、下りは毎時4㎞で一定です。2人のかかった時間とP町からの道のりとの関係を図2で示しています。
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(1) P町からQ町までの道のりは何㎞ですか。
(2) 峠から峠までの道のりは何㎞ですか。
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(1)
次の図のように、A君はP町からアイウエの順に進んでQ町まで5.1時間かかり、B君はQ町からオカキクの順に進んでP町まで4.8時間かかりました。
つまり、上りを毎時2㎞、下りを毎時4㎞の速さでP町とQ町との間を往復すると、5.1+4.8=9.9時間かかることが分かります。
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2人とも上りは毎時2㎞、下りは毎時4㎞で進むので、速さの比は上り:下り=毎時2㎞:毎時4㎞=1:2、そして時間の比は上り:下り=2:1になります。
つまり、PQ間を次の図のアキウオ(すべて上り)とクイカエ(すべて下り)で進んだ場合の時間の比はアキウオ:クイカエ=2:1なので、アキウオにかかる時間は9.9×(3分の2)=6.6時間、クイカエにかかる時間は9.9×(3分の1)=3.3時間になります。
※ 往復(アイウエ+オカキク)にかかる9.9時間を2:1に比例配分しています。
つまり、PQ間は上りの速さである毎時2㎞で進めば6.6時間、下りの速さである毎時4㎞で進めば3.3時間かかるので、その距離は2×6.6=13.2㎞、または4×3.3=13.2㎞となります。
(2)
P町を出発したA君は、13.2㎞離れたQ町まで5.1時間かけて進みました。
また、そのときに進んだ道のりは次の図のように上り(ア+ウ)と下り(イ+エ)の2種類に分けられるので、まずはつるかめ算を利用して、上り(ア+ウ)の距離を求めてみます。
もしA君が下りの速さである毎時4㎞で5.1時間進み続けると、4×5.1=20.4㎞進みます。
しかし実際のPQ間は13.2㎞なので、つるかめ算の公式を利用して毎時2㎞で進んだ時間を求めると、(20.4-13.2)÷(4-2)=3.6時間になります。
したがって、上の図のアとウの距離の合計は2×3.6=7.2㎞だと分かります。
ここからは説明の都合上、次の図のようにPQ間にある峠や谷を左から順にR、S、Tとおいて話を進めます。
2人の進み方を表したグラフにPからQまでの点を書き込んでみると次のようになります。
このグラフを見ると、A君はPからSまで2.4時間かかり、B君はSからPまで4.8-3=1.8時間かかっていることが分かります。
つまり、上りを毎時2㎞、下りを毎時4㎞で次の図のアイキクの順にPS間を往復すると、2.4+1.8=4.2時間かかります。
その4.2時間は、上り(ア+キ)と下り(イ+ク)で2:1に比例配分することができるので、PS間を上りの速さで進むと4.2×(3分の2)=2.8時間、下りの速さで進むと4.2×(3分の1)=1.4時間かかります。
したがって、上の図のPS間の距離は2×2.8=5.6㎞(または4×1.4=5.6㎞)であることが分かります。
ここまでの流れから、P町を出発したA君は次の図のアとイのように進み、5.6㎞離れたS地点に到着するまでに2.4時間かかったことが分かりました。
上りと下りの2種類が混ざっていて、合計の距離も時間も分かっているので、ここからはつるかめ算を利用してアの距離を求めてみます。
もしA君が2.4時間ずっと下りの速さである毎時4㎞で進むと、その距離は4×2.4=9.6㎞になります。
しかし実際の距離は5.6㎞なので、つるかめ算の公式を利用して上りの速さである毎時2㎞で進んだ時間を求めると、(9.6-5.6)÷(4-2)=2時間になります。
したがって、上りであるPR間の距離は2×2=4㎞、そして下りであるRS間の距離は5.6-4=1.6㎞になります。
以上から、次の図のアは4㎞、イは1.6㎞、そしてウは7.2-4=3.2㎞となるので、峠と峠の間の距離(図のRS+ST)は1.6+3.2=4.8㎞になります。
【補足】
この問題のように上りと下りが混ざっている場合は、
① 上りと下りの速さの比を求める
② 逆比にして時間の比に直す
③ 往復にかかる時間を比例配分して上りまたは下りにかかる時間を求める
④ 「上りの速さ×上りにかかる時間」または「下りの速さ×下りにかかる時間」
という流れで距離を求めることができます。
また、2つの速さが混ざっていて、距離と時間の合計が分かっていればつるかめ算を利用することができます。
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