佐藤君と山田君がA地点からB地点に行くことになり、まず佐藤君がAを出発し、次に午前10時に山田君が出発しました。それぞれ一定の速さで歩いていき、2人とも正午に着く予定でした。しかし、山田君は途中のC地点から自転車に乗り、進む速さを3倍にしたため、自転車に乗ってから4分後に佐藤君をE地点で追い越しました。そして佐藤君が正午にB地点に着いたときには、山田君はB地点からさらにAB間と同じ距離にあるD地点まで進んでいました。
(1)
ACの距離とCBの距離の比、CEの距離とEBの距離の比、山田君の自転車の速さと佐藤君の歩く速さの比をそれぞれ求めなさい。ただし、できるだけ簡単な整数の比で答えなさい。
(2)
(1)で求めたことを用いて、佐藤君がA地点を出発した時刻を求めなさい。
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(1)
【ACの距離とCBの距離の比の求め方】
山田君が自転車で進むときの速さは歩くときの3倍なので、歩くときの速さを①とおくと、自転車で進むときの速さは③となります。
最初の予定では、山田君はA地点を10時に出発し、B地点まで①の速さで歩いて12時に到着するはずでした。
つまり、次の図のAB間は、①の速さで2時間=120分進んだ距離にあたるので、①×120=240と表せます。
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しかし実際には、次の図のように途中のC地点から自転車に乗って速さ③で進んだので、12時にはD地点まで進んでいました。
また、図のBD間はAB間の距離と等しいので、A地点からD地点までの距離は120×2=240と表せます。
上の図は2つの速さが混ざっていて、時間の合計(120分)も距離の合計(240)も分かっているので、速さのつるかめ算を利用して、山田君がAC間を歩いて進むのにかかった時間を求めることができます。
山田君が120分間をすべて速さ③で進むと、そのときの距離は③×120=360になります。
しかし、実際のAD間の距離は240なので、つるかめ算の公式を使って速さ①で進んだ時間を求めると、(360-240)÷(③-①)=60分になります。
つまり次の図のように、速さ①で進む山田君は、
・予定だとAB間を進むのに120分かかる。
・実際にはAC間を60分かけて進んだ。
ことから、CB間も同じ速さで進むと120-60=60分かかることが分かります。
つまり、AC間とCB間はどちらも同じ距離なので、距離の比は1:1になります。
【CEの距離とEBの距離の比の求め方】
次の図のAC間は山田君が速さ①で歩いて60分かかる距離なので①×60=60、そしてCB間はAC間と距離が等しいのでこちらも60と表せます。
また、CE間は自転車に乗った山田君が速さ③で4分進んだ距離なので、③×4=12となります。
上の図のEB間の距離は60-12=48なので、CE間とEB間の距離の比は12:48=1:4になります。
【山田君の自転車の速さと佐藤君の歩く速さの比の求め方】
次の図のCE間とEB間の距離の比は1:4なので、AC間の距離(CB間と等しい)は1+4=5、そしてBD間の距離(AB間と等しい)は5×2=10と表せます。
また、自転車に乗った山田君がE地点で佐藤君に追いついた後、
・山田君→12時まで自転車でED間を進んだ。
・佐藤君→12時まで歩いてEB間を進んだ。
ことも分かります。
つまり、自転車に乗った山田君がED間の距離である4+10=14を進む時間で、佐藤君はEB間の距離である4を歩いて進むので、山田君の自転車と佐藤君の歩く速さの比は、14:4=7:2になります。
(2)
さっきの問題で、自転車に乗った山田君の速さを7とすると、佐藤君が歩く速さは2と表せることが分かりました。
次の図のCE間は、自転車に乗った山田君が速さ7で4分かけて進んだので、その距離は7×4=28となります。
また、その4分間は佐藤君も2の速さで歩いているので、佐藤君が4分間で進む距離は2×4=8となります。
8の距離を4分で進む佐藤君が、28の距離を進むのにかかる時間を□分とおくと、8:4分=28:□分という比例式ができます。
□には4×28÷8=14分があてはまるので、佐藤君がCE間を歩くと14分かかることが分かります。
次の図のように、CE間の距離を1とおくとAB間の距離は10なので、佐藤君はAB間を進むのに14×10=140分=2時間20分かかります。
佐藤君がB地点に着いたのは12時なので、A地点を出発した時刻は、12時-2時間20分=午前9時40分になります。
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