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2011

愛知淑徳2011【4】 ☆公倍数・2つの数の最小公倍数の最大値と最小値を求める☆


2けたの数A、Bについて、Aは24の倍数で、Bは18の倍数です。AとBの最小公倍数は、最大で( ア )、最小で( イ )となります。ア、イにあてはまる数はいくつでしょう。
 
 
※ 続きを見る場合は、下の「解説はこちらから」をクリック!

 


(イ)の求め方
整数AとBはどちらも2けたの数なので、
 
・整数A→24、48、72、96のどれか
・整数B→18、36、54、72、90のどれか
 
になります。
 
また、それぞれの中で最小の数である24と18を素数の積で表してみると、次の図のように「24=2×2×2×3」「18=2×3×3」となります。
 
※ 画像はすべて、クリックすると拡大します。

aisyu401.png




そもそも最小公倍数というのは「2つの数をそれぞれ□倍とか△倍して大きさをそろえた数のうち、最も小さい数」のことです。
 
上の図だと、24の中には「×2」が3個あるけど、18の中には「×2」が1個しかないので、次の図のように足りない2個分を18の方に追加してあげます。

aisyu402.png





上の図だと「×2」の数はどちらも3個ずつでそろったけど、「×3」の数は24の中には1個、18の中には2個のようにそろっていません。
 
そこで、次の図のように「×3」を24の方に1個追加すると、どちらの式も「2×2×2×3×3」となり、数がそろいます。
 
※ つまり、24と18の最小公倍数を求める式が完成しました。

aisyu403.png





以上から、整数AとBの最小公倍数のうち、最も小さい数は2×2×2×3×3=72となります。
 
【補足】
 
たとえば整数Aが24、そしてBが18ではなく36だったとしても、最小公倍数は次の図のように2×2×2×3×3=72となります。
 
・24を素数の積で表すと2×2×2×3。36を素数の積で表すと2×2×3×3。
・24は36に比べて「×3」が1個少ないので追加。
・36は24に比べて「×2」が1個少ないので追加。
・どちらの式も「2×2×2×3×3」でそろったので、それが最小公倍数となる。

aisyu404.png












(ア)の求め方
整数Aの条件にあてはまる数をそれぞれ素数の積で表してみると、
 
・24→2×2×2×3
・48→2×2×2×2×3
・72→2×2×2×3×3
・96→2×2×2×2×2×3
 
となります。
 
同じように、整数Bの条件にあてはまる数もそれぞれ素数の積で表してみると、
 
・18→2×3×3
・36→2×2×3×3
・54→2×3×3×3
・72→2×2×2×3×3
・90→2×3×3×5
 
となります。
 
それらの候補の中から、「自分は相手にない数をいっぱい持ってる」という組み合わせを選ぶと、数をそろえたときの最小公倍数が大きくなります。
 
たとえば、整数Aから「48→2×2×2×2×3」を、そして整数Bから「54→2×3×3×3」を選んでみると、
 
・48は54より「×2」が3個多いので、54に「×2」を3個追加。
・54は48より「×3」が2個多いので、48に「×3」を2個追加。
 
という流れで2つの数がそろい、どちらの式も「×2」が4個と「×3」が3個になるので、最小公倍数は2×2×2×2×3×3×3=432になります。
 
また、整数AとBから「72→2×2×2×3×3」という同じものを選んでしまうと、もうどちらの式にも追加できるものがないので、最小公倍数はそのまま72となります。
 
※ 「72と72の最小公倍数は72」という、非常に変な日本語です(笑)
 
「じゃあどの組み合わせなら、最小公倍数が最大になるの?」という本題に戻るわけですが、整数Bは「×2」が最も多くて3個しか使われてないので、整数Aから「96→2×2×2×2×2×3」を選べば、数をそろえたときに「×2」を5個使うことができます。
 
また、整数Aには「×5」がひとつもないので、整数Bから「90→2×3×3×5」を選べば、数をそろえたときに「×5」を1個使えます。
 
******** 補足 **************
 
整数Aは「×3」が最も多くて2個しか使われてないので、整数Bから「54→2×3×3×3」を選べば、数をそろえたときに「×3」を3個使う(つまり1個増やす)ことができます。
 
しかし、「×3」を1個増やすよりも「×5」を1個増やした方が、数をそろえたときの最小公倍数は大きくなるので、「54→2×3×3×3」は選べません。
 
******** 補足おしまい **************
 
というわけで、整数Aから「96→2×2×2×2×2×3」を、そして整数Bから「90→2×3×3×5」を選び、次の図のように数をそろえてみると、
 
・96は90より「×2」が4個多いので、90に「×2」を4個追加。
・90は96より「×3」が1個多いので、96に「×3」を1個追加。
・90は96より「×5」が1個多いので、96に「×5」を1個追加。
 
となります。

aisyu405.png









上の図から、96と90の最小公倍数は2×2×2×2×2×3×3×5=1440となるので、( ア )には1440があてはまります。
 
 
【追記】
 
結果的には「AとBから最小の数を選ぶ→最も小さい場合の最小公倍数が分かる」、「AとBから最大の数を選ぶ→最も大きい場合の最小公倍数が分かる」という非常に単純な流れになったので、「長々とややこしい説明だったけど全然意味ないよね」と思われること間違いなしです(笑)
 
でも、たとえばこの問題を「整数A→2けたとなる15の倍数」、「整数B→2けたとなる18の倍数」と置き換えてみると、必ずしも「最大のペア→最も大きい最小公倍数」とはならないことが分かります。
 
・2けたとなる15の倍数→15、30、45、60、75、90
・2けたとなる18の倍数→18、36、54、72、90
 
この場合、最大の数でペアを組むとどちらも90なので、最小公倍数は90です。
 
しかし、75と90なら最小公倍数が450になるので、「最大のペア→最も大きい最小公倍数」とは限らないことが分かります。
 
さらに、75と72なら最小公倍数が1800になる(このときが最大)ので、「大きい数の組み合わせを選べば、最小公倍数も大きくなる」なんて単純な話ではないことが分かります。
 
「じゃあ、こういう問題をどうやって解いたらいいの?」と振り出しに戻るわけですが、それは(イ)の求め方でも書いたように、
 
「自分は相手にない数をいっぱい持ってる」という組み合わせを選ぶと、数をそろえたときの最小公倍数が大きくなります。
 
という説明に尽きると思います。

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